就労移行支援ってあまりよく知らないし、どこにすればいいか迷いますよね。
わたしも精神障害者手帳2級を所持していて、就労移行支援に通所しています。
就労移行支援を選ぶにあたって6ヶ所以上に見学に行き、かなり悩みました。
就労移行支援の必要性
厚生労働省の報告によると令和1年度の障害者雇用の就職者のうち90.6%が就労移行支援を利用して就職したことが分かります。
また、採用側の企業にとっても就労移行支援の卒業生は以下のメリットがあります。
このように就労移行支援は企業と障害者の両方にメリットがあり、障害者雇用には欠かせないものとなっています。
逆に、就労移行支援を利用しないと障害者枠で就職するのはかなり難しいです。
しかし現在の就労移行支援の実態として1年間の就職人数が0人という残念な事業所も存在しています。
悪質な事業所に入ってしまうと就職ができないだけでなく、うつ症状が悪化してしまうことも…
そこで本記事では当事者だからこその目線でおすすめの就労移行支援を紹介しています。
このランキングを参考にすれば自分に合った事業所を選ぶことができます。

ライフワークバランスの整った働きやすい環境への就職も夢ではありません。
失敗しない就労移行支援の選び方
就労移行支援を選ぶポイントは以下の7つです。
この記事で確認できるポイントと実際に足を運ばないと分からないポイントがあります。
本利用を開始する前に、見学・体験利用をして本当に利用すべきかを確認しましょう。
この時に複数の事業所を比較することをおすすめします。
就労実績(この記事で確認)
就職実績、就職率
全国には就労移行支援事業所が3421ヶ所も存在しています。
中には通わせるだけで特に支援を行わないような悪質な事業所も存在しています。
悪質な事業所にひっかからないように就職実績はきちんと調べておきましょう。

HP上では非公開の事業所でも面談で聞いたら教えてくれるところがほとんどです。
定着率
就職実績だけでなく定着率も大切な指標です。
就労移行支援事業所は就職者の人数に応じて国からもらえるお金が変わってきます。
そのため、お金儲けのために本人が望まない就職先にむりやり就職させてしまうパターンも…
定着率を見れば本人が納得して就職し、しっかりと続けられているのかが分かります。
定着率の全国平均は以下の通りです。
参考:厚生労働省
プログラム内容(この記事で確認・体験利用で確認)
事業所によってプログラムに特色があります。
学びたい内容や形式が自分に合っているのかを確認しておきましょう。
独自の通所サポート(この記事で確認)
独自で通所サポートを行なっている事業所もあります。
就労移行支援通所中はアルバイトなども禁止なので、金銭的なサポートを受けられるのはとてもありがたいですね。
長く通うことが金銭面で不安な方は通所サポートがある事業所を使いましょう。
ただし通所サポートがある事業所は以下の可能性もあります。
全ての事業所がそうとは限りませんが、「金銭的サポートが受けられるから」といった安易な理由だけで利用する事業所を決めることはおすすめしません。

メリットとデメリットを天秤にかけてどっちが良いか決めるのが大切
企業インターンの有無、提携エージェントの有無(この記事で確認)
企業インターン
企業インターンは
と、とても大切なものです。

取引企業が多い事業所を選んでおくと安心ですよ。
提携エージェント
絶対条件ではありませんが、提携エージェントを持っている事業所がおすすめです。
エージェント自体はどこの事業所に通っても利用できます。
エージェントが別会社の場合、支援員とエージェントにそれぞれ就活状況を報告する形になり少しめんどくさいです。
運営会社がエージェントや転職サイトを運営している場合、就活ノウハウやデータをたくさん持っています。
そのノウハウを生かした講座になっているので就活プログラムのレベルは他の事業所より高いと言えるでしょう。
雰囲気やスタッフとの相性(体験利用で確認)
事業所選びでもっとも重要なのが、事業所の雰囲気とスタッフとの相性が自分に合っているかです。
自分に合わない事業所は、通所自体が苦痛になってしまい安定通所を目指せません。
面接同行や就職後の定着支援をしてもらうことも見据えて、信頼できる支援員がいるかを確認しましょう。

想像よりも個人面談をする機会が多いです。合わない支援員だと地獄です…
支援員の質(体験利用で確認)
体験利用の際はスタッフがどのように働いているかをしっかりと観察しておきましょう。
スタッフの人数
事業所にスタッフが何人いるかを確認しましょう。
スタッフは事業所での仕事だけでなく、ハローワーク同行・面接同行・定着支援など外での仕事もたくさんあります。
普段からギリギリの人数で運営していると外での仕事がおざなりになってしまう場合があります。
個別のしっかりした支援を受けたい方は利用者一人あたりのスタッフの人数が多い事業所を選びましょう。
スタッフがプログラム中になにをしているか
基本的に一人のスタッフが講師として講座を行います。
講座中に講師以外のスタッフがなにをしているのかを確認しておきましょう。
スタッフが近くで見守ってくれている方が安心感があるし、障害特性を見極めてもらいやすいですよね。

講師以外のスタッフがどのようにしているかは大切なポイントです
有資格者がいるか
スタッフに臨床心理士や精神保健福祉士の有資格者がいるか質問してみましょう。
厚生労働省によると就労移行支援に専門資格をもつスタッフがいると就職率が上がるというデータがあります。

特に作業療法士がいると就職率が約2倍になるというびっくりなデータが。
事業所の場所(体験利用で確認)
事業所の場所も大切な要素です。
通勤の練習でもあるので公共交通機関を使う場所がおすすめです。
一年以上通うことになるのであまりにも遠い場所を選ばないように気をつけてくださいね。

2路線以上ある駅だと災害時や運休が発生した時も対応しやすいです!
おすすめの就労移行支援の比較表
事業所名 | ミラトレ | Cocorport | LITALICO | atGPジョブトレ | ミライエ | atGPジョブトレIT・Web | manaby |
---|---|---|---|---|---|---|---|
事業所 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
就労実績 | 就職率98% | 累計就職者2099名 | 累計就職者1万人 2020年度1302名 | 1事業所あたり 年間平均就職者数24名 | 非公開 | 非公開 | 累計就職者1684名 |
定着率 | 90.0% | 89.7% | 90.0% | 91.4% | 91.6% | 非公開 | 88.0% |
模擬就労 | ○ | ○ | × | ○ | × | ○ | × |
企業インターン | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
提携エージェント | ○ | × | × | ○ | × | ○ | × |
取引企業 | 3000社以上 | 非公開 | 4000社以上 | 2000社以上 | 非公開 | 2500社以上 | 非公開 |
在宅訓練 | △ コロナ禍のみ | △ コロナ禍のみ | ○ | × | ○ | × | ○ |
交通費支援 | × | ○ | × | × | ○ | × | × |
昼食提供 | × | ○ | × | × | ○ | × | × |
定着支援 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
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就労移行支援のおすすめランキングの前に番外編として障害者雇用の求人が多い就職支援サイトをご紹介します。
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【総合型】就労移行支援おすすめランキング
第1位 ミラトレ

社員の6割以上が障害者雇用のパーソルチャレンジが運営会社。採用側の視点からの的確なアドバイスももらえます。dodaチャレンジも運営していて取引企業は3000社以上。支援員の質が高く、手厚いサポートを受けられます。
就労実績 | 就職率98% |
定着率 | 90% |
プログラム内容 | 生活講座、ビジネス講座、メンタルケア講座、コミュニケーション講座、就活講座、PC講座、特別講座など |
提携エージェント | あり:dodaチャレンジ |
取引企業数 | 3000社以上 |
対象 | 精神・発達・知的・身体・難病 |
独自の通所サポート | 交通費支援:なし、昼食サポート:なし |
事業所 | 上野 / 大手町 / 三鷹 / 横浜 / 横浜 / 横浜関内 / 藤沢 / 新松戸 / さいたま / 川口 / 川越 / 名古屋 / 梅田 / 尼崎 |
第2位 Cocorport(ココルポート)

自己学習用のeラーニングでMOSやプログラミング、アドビ、簿記など自分の学びたい分野を徹底的に学べます。250種類のプログラムと50種類の模擬就労から自分の障害特性や希望職種に合った個別支援を受けられます。週1で面談があるので安心!交通費の助成と昼食提供で金銭的負担も最小限に抑えられます。
Cocorportについて詳しく知りたい方は「Cocorport(ココルポート)へ行ってきた私の体験談とネット上の口コミまとめ」の記事も書いていますので合わせて読んでみてください。
就労実績 | 累計就職者数2099名 |
定着率 | 89.7% |
プログラム内容 | セルフマネジメント、コミュニケーション、ビジネスマナー、就職活動、運動・リラックス・余暇など |
提携エージェント | なし |
取引企業数 | 非公開 |
対象 | 精神・発達・知的・身体・指定難病 |
独自の通所サポート | 交通費支援:月1万円まで、昼食サポート:あり、ドリンクサーバー:あり |
事業所 | 東京 / 神奈川県 / 千葉 / 埼玉 / 大阪 / 愛知 / 福岡 |
第3位 LITALICOワークス



就職者の49%が規模1000名以上の大企業へ就職。全国に4500社以上のインターン先があり、希望職種につきやすいです。準備ステージ・実習ステージ・就活ステージの3ステップ制で今いる段階が分かりやすいので、モチベーションを維持しやすいのもポイント!
就労実績 | 累計就職者数 1万名以上 2020年度の就職者数 1302名 |
定着率 | 90.0% |
プログラム内容 | ビジネスマナー、コミュニケーション、自己理解、ストレスマネジメント、ステップアップ、応募・面接、就職活動など |
提携エージェント | なし |
取引企業数 | 4000社以上 |
対象 | 精神・発達・知的・身体・難病 |
独自の通所サポート | 交通費支援:なし、昼食サポート:なし |
事業所 | 北海道/宮城/東京/神奈川/千葉/埼玉/栃木/静岡/愛知/兵庫/京都/大阪/岡山/広島/福岡/宮崎/沖縄 |
第4位 atGPジョブトレ

障害に特化した事業所なので自分に合ったトレーニングが実現できます。同じ障害を持つ仲間ができ、対策や不安を共有できます。就職者の94.5%が事務職への就職!PCスキルや報連相の習慣が身に付きます。障害者転職No.1のエージェントのしっかりとしたサポートを受けられるのも特徴。
就労実績 | 1事業所あたりの年間の平均就職者数 24名 |
定着率 | 91.4% |
プログラム内容 | ビジネスコミュニケーション研修、対人コミュニケーション研修、セルフマネジメント研修、就活研修、PC研修など |
提携エージェント | あり:atGPエージェント |
取引企業数 | 2000社以上 |
対象 | うつ症状・発達・統合失調症・聴覚障害・難病 |
独自の通所サポート | 交通費支援:なし、昼食サポート:なし |
事業所 | 秋葉原 / 大手町 /お茶の水/ 横浜 / 梅田 |
第5位 ミライエ

臨床心理士・精神保健福祉士のカウンセリングを1回40分定期的に受けられます。交通費・昼食代・資格取得の支援もあり、金銭的に不安な方でも通いやすいです。就職のために資格取得をしたいならおすすめです。
就労実績 | 2020年度の就職者数21名 |
定着率 | 91.6% |
プログラム内容 | PC講座 / ビジネスマナー / メンタル講座 / コミュニケーション / 運動 / 手話講座 / レクリエーションなど |
提携エージェント | なし |
取引企業数 | 非公開 |
対象 | 精神疾患・発達障害・ひきこもりなど |
独自の通所サポート | 交通費支援:あり、昼食サポート:あり、ドリンクサーバー:あり、資格教材の購入費サポート:あり |
事業所 | 梅田 / 天王寺 / 堺筋本町 / 南森町 / 上本町 / 鶴見 / 横浜関内 |
【IT特化型】就労移行支援おすすめ紹介
atGPジョブトレIT・Web

Web制作スキル習得のために必要な費用(約40万円)がすべて無料で受けられます。現役のWebデザイナーが複数名在籍!困った時にすぐに聞ける環境で挫折しにくい環境です。協力企業の実際のプロジェクトに参加するインターンもあり実績もしっかり積めますよ。本気でWebデザイナーを目指すならおすすめです。
就労実績 | 非公開 |
定着率 | 非公開 |
プログラム内容 | Webデザイナー講座(企画・デザイン・コーディング)、自己理解系カリキュラム、ビジネススキルトレーニングなど |
提携エージェント | あり:atGPエージェント |
取引企業数 | 2500社以上 |
対象 | 精神・発達・知的・身体・指定難病(週4以上の通所ができる方) |
独自の通所サポート | なし |
事業所 | 渋谷 / 秋葉原 / 船橋 / 大宮 |
Manaby

Webデザインやプログラミング、事務系スキルなど幅広いeランニングを受けられます。プログラミングの勉強から始めて途中から事務系スキルのに転向することも可能。「プログラミングスキルを身につけたいけど自分にできるのか不安」という方におすすめです。在宅訓練にも対応していて就職者の在宅就労率は21%!
Manabyについて詳しく知りたい方は「就労移行支援Manaby(マナビー)へ行ってきた私の口コミ&ネットの評判を紹介」の記事も書いていますので合わせて読んでみてください。
就労実績 | 累計就職者数1684名 |
定着率 | 88.0% |
プログラム内容 | Webデザイン、プログラミング、事務系スキル、ビジネスマナー、セルフコーチングなど |
提携エージェント | なし |
取引企業数 | 非公開 |
対象 | 精神・発達・知的・身体・指定難病 |
独自の通所サポート | なし |
事業所 | 宮城 / 福島 / 東京 / 千葉 / 大阪 / 兵庫 |
就労移行支援についてのよくある質問

就労移行支援とは障害者総合支援方が定める就労系福祉サービスのひとつです。
就労移行支援に通うことで「職業準備性(=はたらく準備)」を整えることができます。
・働く準備・トレーニング
・職場見学・企業インターン
・就職活動のサポート(面接同行・ハロワ同行)
・就職後の職場定着支援
利用料金は前年度の収入に応じて変動します。(9割以上の方が無料で利用できています。)
区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村税非課税世帯(※1) | 0円 |
一般1 | 市町村税課税世帯(※2) | 9300円 |
一般2 | 上記以外 | 37200円 |
(※1)収入が概ね300万円以下
(※2)収入が概ね600万円以下
その他の条件で減額になることもあるので、行政の障害者福祉課に確認してみてくださいね。
就労移行支援は生涯で最大2年間利用することができます。(事情によっては3年間に延長することもできます)
厚生労働省のデータによると、就職までの利用平均は15.9ヶ月となっています。
必ずしも必要ではありません。
以下に当てはまる方は利用の対象となるので行政の障害福祉課に相談してみてください。
・18〜65歳未満で就職を考えている
・障害者手帳を持っている
・心療内科で精神疾患の診断を受けた
・対人関係が原因で仕事が続かない
・社会復帰したい
・不眠症の方
・ひきこもりの方
クローズ就労も可能です。オープン就労とクローズ就労の違いは以下をご確認ください。
・オープン就労:障害特性や配慮事項を企業に開示して就労する
・クローズ就労:障害特性や配慮事項を企業に開示して就労する
まずは無料相談からはじめてみよう

就労移行支援のおすすめを紹介しました。
まずは無料相談へ行ってみて悩みを相談してみてください。
複数の事業所へ見学に行って比較することであなたにぴったりの就労移行支援を見つけることができますよ。

わたしは一ヶ月かけて6ヶ所の事業所を体験しました!
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